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梅津和時プチ大仕事 2019

 

 もう40年にもなるだろうか。昔「騒 GAYA」というフリージャズの店があって、そこのママになにげなく言われた一言が頭から離れない。「あんた、巫女だからなあ。」「なんですか、それ?俺、男ですよ。」「男だろうと女だろうとしょうがないのよ。巫女なんだから。」彼女は占い師でもあったのだが、どういう脈絡でこの会話になったのかまったく思いつかない。私にはたいした霊感も無ければ、おかげさまで幽霊にもちゃんと出会った事は無い。「それ、絶対に間違いです。」と話題を変えた。

 それから10年ちょっとたって、今度は韓国のシャーマンで胡笛(ホジョク)や杖鼓の名人の金石出(キム・ソクチュル)さんに、「ウメジュさん、私の息子にならないか?」と真面目な顔で急に言われた。「あなた、シャーマンの素質あります。私の息子になってシャーマンやりませんか?いくらでもお金あげます。車欲しければ車あげます。宝石欲しければ・・。」私はキムさんの演奏が大好きで、ソプラノサックスでかなり真似をしていたから、きっとそれを「うまいうまい」というような社交辞令なのだろうと、黙って笑っていたのだが、「何が欲しいですか?女?金?家?何でも言って。」と、何度も聞かれる。これは本気なのかも?と、ちょっと恐ろしくなったので、きちんと正座して向き合い、丁寧にお断りした。「おしいねえ。良いシャーマンになるのにねえ・・・。」キムさんは本当に残念そうな顔をして席を立って行った。

 2018年の11月は辛い月になった。片山広明が亡くなった。プルチネラからキャバレーのバンドマン時代、そして「生活向上委員会」、「D.U.B.ドクトル梅津バンド」、「RCサクセション」、清志郎との「BLUE DAY HORNS」。ずっと一緒に音楽を作って来た男。世界で一番デカい音でテナーを吹く男。片山がいなければ今の私はいない。そして大学の頃から知っていた佐山雅弘君も後を追うように逝ってしまった。

 私は今までに一体何人の自分にとって重要なミュージシャンを無くしているのだろう。巫女でもシャーマンでもない私には、彼らからの声を聞く事は出来ない。でも、伝えていかなければいけない何かがある。それは彼らに共通する音なのかもしれない。もちろんそれぞれが全く違うのだが、そこには確実に共通しているものがあるように思う。そして自分が出している音には、もはや私だけではなく死者たちの音も混ざって来ているのだろう。私はそれを怖い事だとは思わない。その意味でのシャーマンだったら喜んで受け入れよう。彼らにここにいてくれ!とお願いしたい気持ちだ。

繊細な音、爆音、几帳面な音、ふざけた音・・・。全ての音が美しい。

梅津和時


『梅津和時プチ大仕事 2019』

2/13(水)、14(木)、15(金)、16(土)、17(日)
13日、14日、17日 前売\3,500+税 当日\4,000+税 (全て1ドリンク付)
15日、16日 前売\4,000+税 当日\4,500+税 (全て1ドリンク付)
◎チケットは、1/13(日)よりチケットぴあ、新宿ピットイン(店頭販売のみ、AM11時より)にて発売開始。
 Pコード:138-908
※5日間通し券(枚数限定)/新宿ピットインでのみ取り扱い(予約可)\16,000+税(各日1ドリンク付、会員割引なし)

2/13 (水)  『ふたり』
梅津和時(Sax,Cla) 七尾旅人(Vo,G)

2/14 (木)  『人形たちの家』
梅津和時(Sax,Cla) 岩下徹(舞踏) 山本由也(人形師) おおたか静流(Vo)

2/15 (金)  『はじめうた』
梅津和時(Sax,Cla) 元ちとせ(Vo) 内橋和久(G) 芳垣安洋(Per,Ds)

2/16 (土)  『D.U.B. 〜片山広明に捧ぐ』
D.U.B.:梅津和時(Sax,Cla) 早川岳晴(B) 菊池隆(Ds)
ゲスト:仲井戸麗市(G,Vo)

2/17 (日) 『Spiritual Session』
梅津和時(Sax,Cla) 元晴(Sax) 加藤崇之(G) ウインチェスター・ニ・テテ・コジョ・ボーイ(Per) 井野信義(B)

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